◆開発講座◆売買シグナルの例

売買シグナルの種類

売買シグナルとは、「○○したら買い(売り)」という売買条件のことです。相場の底で買いシグナル、天井で売りシグナルが出るのが理想です。売買シグナルにはいろいろな種類がありますが、「システムに組み入れやすいかどうか=コンピュータで判断しやすいか」という観点から見ていきたいと思います。よく言われているように、コンピュータは人間よりも計算は得意ですが、逆にパターン認識は苦手です。
ローソク足
株の勉強というとまずはじめにローソク足からはいる人は多いのではないでしょうか。ローソク足には「底値圏で長い下ヒゲが出たら買い」、「底値圏で大陽線による包み足が出たら買い」といった定説がたくさんあります。

例えば前日の線を大陽線で包む「包み足(包み線)」は、(前日の高値<当日の終値)かつ(前日の安値>当日の始値)と定義することができるので、コンピュータで判断することは簡単です。

一方、「長い下ヒゲ」をコンピュータで判断するには、「長い」とはどういう状態を言うのかを定義しなくてはなりません。例えば「下ヒゲがローソク足本体の何倍以上」だとか「過去5日間の下ひげの平均値の何倍以上」というように厳密に定義する必要があります。

移動平均線
移動平均線を使った分析では「長期の移動平均線を短期の移動平均線が上抜いたら買い(ゴールデンクロス)」、「長期の移動平均線を短期の移動平均線が下抜いたら売り(デッドクロス)」が有名です。これらは線がクロスしたかどうかを判断すればよいのでコンピュータ向きと言えるでしょう。

例えばゴールデンクロスは(前日は長期線>短期線)かつ(当日は長期線<短期線)で判定できます。

テクニカル指標
RSIやVRといったテクニカル指標は数値を計算し、その値で売買を判断します。コンピュータでの投資に向いている、というかコンピュータでの投資のために開発されたのでしょう。
各指標の計算式などは参考書籍テクニカル指標の解説のコーナーを見てください。

テクニカル指標を使うときには、まず、その指標がどういう値になりえるのか(例えば0〜100までの間を動く等)、またその数値の意味するもの(例えば0のときはどういう状態なのか、数字が小さいとどういう意味なのか)を把握するのが大切です。チャートソフトで指標のチャートを見るだけではなく、一度は電卓等で実際に計算してみることをおすすめします。

有名なトレーダーの売買法
ラリー・ウィリアムズなど有名なトレーダーが開発した手法がいくつもあります。「今日の始値が前日の安値よりも安く始まり、前日の安値を上抜いたら買い。(ウップス)」や、「3日連続で下落したとき、4日目に3日目の高値を上回ったら買い。(スマッシュ・デイ)」など他にもたくさんあります。短期売買(デイトレード)向けの売買法が多いようですが、中期トレードにも応用できるものもあるでしょう。

トレンドライン、チャートパターン
チャートの谷を結んた線を支持線(サポートライン)、山を結んだ線を抵抗線(レジスタンスライン)といい、株価が支持線の近くまで下がると反転するとか、支持線を下に突破すると底なしなどが有名です。

またチャートの形から売買を判断する方法もあります。ダブルボトムを確認したら買いとか、トライアングル(ペナント)を抜けたら買いと言われています。

コンピュータでは自動的に支持線や抵抗線を描いたりチャートパターンを認識するのは難しいようです。まさに相場勘にたよるしかない部分なのでしょう。相場勘の無い私にはこういった分析法は向いていないようです。

その他にも様々な分析法がありますが、私の勉強が追いついていない状態です。例えば一目均衡表は愛用者も多く、私も詳しく調べてみたいと考えています。

フィルター

いろいろな売買シグナルがありますが、それぞれ単独で使ってもなかなか利益は出ません。 買いシグナルが出たのに下がってしまうという失敗(ダマシ)があるからです。このダマシを減らすために、なんらかの条件を加えます(これをフィルターといいます)。種類の違う売買シグナルを組み合わせることが多いのですが、変わったところでは勝ったトレードの次のシグナルは見送るというフィルターもあるようです。

フィルターを使えばダマシを減らせるかというとそう簡単でもありません。フィルターでダマシだけを減らせればよいのですが、正しいシグナルまでも減らしてしまうこともあります。結局は、いろいろな売買シグナルやフィルターを根気よく試してみるしかありません。

闇雲に試すのではなく、指標の計算式から、それぞれの指標の特長(トレンドが無いときには的中率が落ちるだとか)や意味を考えることが大切です。例えば同じ出来高系の指標を2つ組み合わせてもあまり意味はないでしょう。

売買シグナルはトレーディングシステムの一番重要な部分です。簡単にはいかないですが根気よく探していきましょう。


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