◆開発講座◆過去データを用意する
株価データの入手
インターネットで株価データを入手する方法はいくつもあります。詳しくはリンク集の株価データの入手できるサイトを参考にしてください。
配布先によって価格、データファイルの形式、銘柄数、対応する市場、配布する時刻、権利落ちデータの有無、正確性などに違いがあります。また個人で配布しているサイトは、管理者の事情により中止されるリスクもあります。(もちろん法人であっても中止されることはありますが。)
また古くから行われている文字放送から株価データを取得するという方法もあります。文字放送を受信する機械と、株価データファイルとして吸い出すソフトが必要です。しかし毎日かかさず受信しなくてはならないため、私は利用していません。また将来的には文字放送自体が廃止されるという話もあります。
東証など証券取引所と直接契約してデータを受信する方法もあります。しかし、毎月多額のお金がかかるため、零細個人投資家レベルでは難しいでしょう。個人的には、毎日の日足データぐらいは各証券取引所が無料で配布してくれれば、と思っているのですが。
権利落ちの補正
株式分割が行われたとき、例えば1株が2株に分割されると株価は1/2に修正されます。これを権利落ちといいます。また逆に、減資により10株が5株に併合されるようなこともあります。
例えば、2001/07/05に【9434 日本テレコム】の株式分割(1:5)がありました。権利落ちを補正しないと急に株価が5分の1になってしまい、指標を計算する場合などに不都合が生じます。このため過去データを使用するときは、まず始めに過去のすべての権利落ちを補正してから使用します。
日付 | 終値 | 補正済みの終値 | 備考
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2001/07/03 | 2,540,000 | 508,000 |
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2001/07/04 | 2,520,000 | 504,000 |
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2001/07/05 | 522,000 | 522,000 | 権利落ち日(1:5)
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2001/07/06 | 512,000 | 512,000 |
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2001/07/09 | 516,000 | 516,000 |
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2001/07/03の終値2,540,000は、分割後の508,000と同じ価値となるわけです。このように分割前の株価を補正して、分割の前後で株値の価値が変わらないようにします。同じように四本値と出来高も補正します。
私は、バックテストするときは単純に補正後の株価を使っていますが、例えば所持金が100万円だった場合、シミュレーション上では7月3日の終値は508,000なので買うことができますが、実際には7月3日の終値は2,540,000なので資金不足で買うことはできません。よりリアルなシミュレーションを目指すのであれば、こういった点にも気を付けましょう。
権利落ちデータの扱いはデータ配布先によって異なります。それぞれの配布先で補正式を確認しておきましょう。
ちなみにPanデータの権利落ち係数は、比率が1:nのとき、係数=(n−1)×100
で求められます。上の例ではn=5なので(5−1)×100=400となります。